物を組み立てる大工さん的な仕事だと考えると分かりやすいです。ただ、できるだけ持ち運びを楽にするため素材から作るという点が、大工さんとは異なる舞台美術製作の特徴です。
製作は、まず枠組みの原寸を取るところから始まります。そして図面通りにセットの枠組みを作っていきます。その際、輸送するトラックにセットを積めるように、さらに劇場やテレビ局の入り口からきちんと出入りできるよう計算し、パズル状に作っていきます。
作り方にも特徴があり、テレビに映ったり舞台で観客に見えたりする部分以外は、極力余分な材料を使わないよう考慮します。また、用途によって作り方や強度も変えています。例えば、各地へまわる旅公演のセットですと、できるだけ組み立てるのが簡単なようにします。さらに、1〜2年使いますので壊れないようにしっかりと作ります。
全くの初心者から大工経験者まで在籍しているセクションです。
経師とは、元々ふすまや障子を貼る仕事をする人のことを指します。ですので、経師係は製作係で組み上げられた製作物に壁紙などを貼り、仕上げるセクションだと考えると分かりやすいです。
貼るものは壁紙やざら紙、布などのベーシックなものから、フィルムやシートなど様々です。また、あらかじめ貼る紙に大波や小波などの表情を付けて貼る、「揉み貼り」などもします。とにかく何かを“貼る”ことは全てここで行います。
このセクションは基本的に製作係から来たセットに紙を貼ることが多いのですが、背景を付けた後、その上からカッティングなどを貼っていくこともあります。つまりここは過程のセクションでもあり、総仕上げのセクションでもあるのです。そのため、自分が壁紙を貼って出したものに背景係が色を塗り、さらにもう一度自分の元に返ってきて、その上からカッティングを貼ることもある、とても面白いセクションです。
一言で言うと“絵を描く”セクションです。製作係で作った額縁に、経師係で表面を整え、背景係で絵を描くというイメージです。
絵を描くといっても、ペンキで色を塗る人もいれば、ペンキで字を書く人もいます。また、書道をする人や、美術工芸のセクションで作られたレプリカの彫刻や小さな部品などに色付けをする人もいます。
また、はさみで木の葉っぱを作ったりドロップと呼ばれる布に装飾をしたり絵を描くのもこのセクションの仕事です。美術大学出身者が多いことも特徴です。
自分が描いた絵を舞台やテレビで見ることができますので、非常にやりがいがあります。また、黙々と集中して作業をする人にも向いています。
背景係の中でも、彫刻のような立体物を作るセクションを美術工房と呼んでいます。発泡スチロールで顔などを作ったり、レリーフを彫ったり、テレビでよく見るような大きな動物やマスコットを作ったりもします。ここで彫刻されたものが背景係の元で色付けされたりします。
小学校の図画工作の授業を思い浮かべてください。その授業でやったことを仕事としてするような感じです。図画工作が大好きだった人には、本当に面白い職場です。
製作進行係はその名の通り、全作業の進行を見守る重大な役割を担った人です。まず、営業係が受注してきた仕事の内容を打ち合わせし、各セクションが仕事をしやすいように振り分け、スケジュールを組んでいきます。
全セクションの仕事を見守り、必要なものを調達するのも進行係の仕事です。どこかのセクションでパーツが1つでも足りなければ、数を確認して発注したりします。
製作係→経師係→背景係を経てできあがったセットをチェックし、車に詰め込むまでが進行係の仕事。その際、バラバラになったセットの出来上がりを念入りに確認します。
全セクションの仕事に関わることができるため、セットの進行状況を最初から最後まで見ることができますが、その分責任のある仕事です。
































